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芸術に触れたときの感動を忘れないためのブログ

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おおひなたごう 『銀河宅配便マグロ』第1巻&漫☆画太郎 『世にも奇妙な漫☆画太郎』第2巻

Sat.26.01.2008
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og

ヴィレッジ・ヴァンガードで見つけた。おおひなたごうって、名前は知ってたけど全然読んだことがなかった。ゆらゆら帝国の坂本慎太郎の推薦文が他の漫画の帯に書いてあって、さかもっさんが面白いっていうなら俺も絶対気に入るはずと思い、買ってみた。今、「さかもっさん」って書いたけど、知り合いとかではないです。全然。言ってみたかっただけなの。
さて、『銀河宅配便マグロ』、なんじゃこの面白さはー!!!
ギャグマンガなんだが、主要なキャラがみんな天然のバカで、本業の配達そっちのけで、でかいちくわを買ってきてそれをくぐり抜けて遊んだりしてる。なんなんだお前ら。
第8話で龍宮城に配達しに行くのだが、その回のオチが最高に笑えた。俺が求めるギャグ漫画のお手本を見せてもらった気がした。


gataro

同時に買った漫☆画太郎の『世にも奇妙な漫☆画太郎』も最高だった。もう、「画太郎先生!」と呼びたいくらい尊敬してる。ひとつのコマをコピーして延々と使いまわし、それによって同じシーンが何度も繰り返されることの面白さ!
画太郎先生の漫画はエロ・グロ・ナンセンスを地で行ってるが、その中になんともいえない人情が感じられるところが素晴らしいと思う。


漫画を読むのは目が疲れるし、周りのみんなが好きな少年漫画は面白さが全然分からなくて話題についていけないから、総じて漫画は苦手だ。でも、こういう面白い漫画を描いてくれる人たちがいるのが嬉しい。俺も漫画読めるんだ、って思う。
明日、『マグロ』の第2巻を買いに行こう。

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テーマ : マンガ - ジャンル : アニメ・コミック

タグ : おおひなたごう 漫☆画太郎 マグロ ゆらゆら帝国 坂本慎太郎

大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!』

Mon.14.01.2008
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つい最近ちくまで文庫化された本『文学賞メッタ斬り!』が面白い。なんたってほんとにメッタ斬りにしてるんだから。

僕は毎回の芥川賞に注目はするが、期待はしない。
自分の政治観を通してしか小説を読めない東京都知事とか、新しい文体をもった小説を「読む」ことすらできない宮本輝とか、こんな人たちが毎回書くまったく見当違いな、それでいて偉そうな選評を読むと、絶望的な気分になるのだ。選考委員やめろ!これじゃ才能のある作家たちが可哀想だ。

芥川賞に対する文句は沢山ある。
・なんで村上春樹が受賞していないのか。
・町田康には『くっすん大黒』で授賞するべきだった。
・なんで阿部和重の受賞はあんなに遅かったのか。
・おい、中原昌也にも賞をやれ!
など。

でもこの本を読んで少しスッキリした。文学賞の選考委員を鋭く批判するだけじゃなく、逐一政治家や老人たちの頓珍漢な選評を引用して笑い飛ばしているのがいい。

「文学賞の心得【四】――
文学賞の選評は、
選考委員にキャラ萌えして味わえ。」 (p.137)

これには恐れ入りました…。

文学を愛してる人はかなり笑える、必読の本だ。


岡崎京子 『うたかたの日々』

Tue.25.12.2007
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utakata

僕は漫画をあまり読まないが、好きな漫画家は何人かいる。岡崎京子もそのうちの一人だ。
2年のとき、柿Pさんに「岡崎京子が好きなんすよ~」と言ったら、何冊も貸してくださって、一気読みした覚えがある。
でもボリス・ヴィアンの小説を漫画化した『うたかたの日々』だけは読んだことがなくて、まあ卒論のテーマもボリス・ヴィアンだし、息抜きに読んでみようと思って購入した。

今、小説の『うたかたの日々』をイヤというほど読み込んでいるので、自分が思い描いていたイメージと漫画の相違が気になった。特にパルトルはもっと太っちょで融通が利かない感じに描いてほしかった!!…まあこれは仕方がない。
でもこれだけは強く言いたいのだが、いくつかの重要な場面が、絵ではなく原作を引用した文字だけで説明されているのはとても残念だった。文章を多用する描き方は岡崎京子の特徴でもあるのだが、原作がある以上、それに頼るのではなくもっと自分の絵で描ききって欲しかった。ボリス・ヴィアンも岡崎京子も好きだからこそ、そう思うのだ。

でも主人公のコランとクロエはよく描かれていると思う。彼らが初めて出会う場面や結婚式の場面は本当に美しいし、クロエの病気によって破滅へと向かってゆくその痛みは、岡崎京子にしか描けないものだと思う。特にアパルトマンが段々と荒廃してゆく様子や沼地に呆然と立ちすくむコランの姿はどうしようもなくやるせない。

この漫画を読んで、原作の素晴らしさを再認識できたし、卒論ももっと頑張って書こうと思った。


タグ : 岡崎京子 ボリス・ヴィアン うたかたの日々 日々の泡

ジャック・ケッチャム 『地下室の箱』

Mon.17.12.2007
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ケッチャム

卒論そっちのけで最後まで読んでしまった……。
ジャック・ケッチャムは、「胸クソ悪くなる小説を書かせたら右に出るものはいない」と評判の小説家である。そして、「面白いからこれ読んでみてよ」などと気軽に人に勧めることが絶対にできない小説家でもある。
僕はこれで3冊目(『オフ・シーズン』、『老人と犬』、そしてこの『地下室の箱』)だが、未だにケッチャムの世界に慣れることができない。今回もやっぱり胃がキリキリ痛んで、吐き気をもよおした。でも主人公の運命が気になって、ページをめくらずにはいられない。
ケッチャムを読むことは本当にスリリングな体験だと思う。主人公の置かれた状況が少しでも良くなるように祈りつつ(でもそれが無理なのは分かっている)ページをめくるが、そこには思った通り、いやそれ以上に最悪な展開が繰り広げられるのだ。そしてその度に読者は衝撃を受ける。じっさい、読んだ後はかなり疲れるし、最低最悪な気分になる。「こんなもん、読まなきゃよかった…」っていうセリフはケッチャムの小説のためにあるようなものだ。
でもだから彼が狂った人間かといったらそうではない。彼がとても人道的な立場から小説を書いていることは明らかだ。そこが単なるスプラッター小説にはない深みを作品に与えているのだろう。



テーマ : 文学・小説 - ジャンル : 小説・文学

タグ : ジャック・ケッチャム 地下室の箱

ミシェル・ウエルベック 『ある島の可能性』

Thu.13.12.2007
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ile

けっこう前に読み終えた、おなじみウエルベックの最新作。
この小説は「ネオ・ヒューマン」と呼ばれるダニエル24とダニエル25が、現代とほぼ同じ時間を生きていると思われるダニエル1の人生記に注釈を入れるという形式で進んでいく。

あらすじを詳しく述べるとこれから読む人の妨げになるので書けないが、ウエルベックの書くSFっぽい話はやっぱり面白いなあと思った。後半のダニエル25の彷徨と、その最後に描かれる光景は、なんだか荒涼としていて胸を打つものがあった。そして、ウエルベックは一貫して「愛を強く求めながら、それが叶わない」男たちを描いているが、その彼らを一人称と未来の「ネオ・ヒューマン」の視点の三人称から描いているところが何より新鮮だ。

訳者の中村佳子さんがあとがきで述べているが、『ある島の可能性』は『素粒子』の空白を埋めるような作品だ。だから、『ある島の可能性』を読んだ後はもう1回『素粒子』を読み返したくなる。
はっきり言ってしまえば、ぼくは『素粒子』のほうが断然面白いと思う。『素粒子』の壮大なスケール感は感動的だ。主人公についても、『ある島の可能性』のダニエル1より『素粒子』のブリュノのほうがもっとダメ人間で、面白い。『ある島の可能性』も、十分面白いんだけどね。

卒論を書き終えたら『素粒子』をまた読み返してみよう。

テーマ : 小説 - ジャンル : 小説・文学

タグ : ミシェル・ウエルベック ある島の可能性 素粒子

ミシェル・ウエルベック 『プラットフォーム』

Thu.01.11.2007
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plateform

授業をサボって、この小説を読み終えた。外では雨が降り続いている。こういう日は読書にぴったりだ。

父親が殺されたが悲しみの湧かないミシェル(男、41歳)が、タイでのヴァカンスで旅行会社のエリート社員のヴァレリー(女、28歳)と出会う。2人は付き合うようになり、ヴァレリーの上司のジャン=イヴと共に売春ツアーを企画する。企画は何もかも順調に進んでいるかのように見えたが、…物語の最後には悲惨な出来事が待ち構えている。

この小説は『闘争領域の拡大』や『素粒子』に比べれば語り手の視点がはっきりしない部分があって、完成度は劣ると思う。だがそれでも十分に心に響く作品だった。ウエルベックの小説の主人公は自分(と、自分に深く関わる人)以外のもの全てに汚い言葉で悪態をつきまくる。それが痛快に思えるときもあれば嫌な気分になるときもあるのだが、こういう語り口で主人公の立場をはっきりさせることこそが作家の狙いだろう。事実、彼の小説は誰もが考えたくないような現代社会のうんざりさせられる真実を浮き彫りにしているように思うのだ。
だからこそウエルベックは世界中で読まれているのだろう。彼の作品は、社会のシステムの中で「生きて在り続ける」ことについて我々に考えさせる力を持っている。できればそんなことを考えずにいたいのだが…。でも、読まずにはいられないのだ。
そういえば、同じように世界中で読まれている村上春樹も、高度資本主義社会における個人を沢山描いている。彼の小説の主人公たちはだいたいが孤独で、社会に適応していない。『ダンス・ダンス・ダンス』の主人公なんかは資本主義が生み出したあらゆるものに対して悪態をつきまくっている。この2人の作家の描く主人公には共通点があると思う(もちろん作家が追い求める主題は異なるが)。

『プラットフォーム』の3、4割は過激なセックス描写で占められている。エロスを求める人は是非読んでみてください…というのは悪い冗談です。


これでやっと最新作『ある島の可能性』を読み始められる。楽しみだ。



テーマ : 文学・小説 - ジャンル : 小説・文学

タグ : ミシェル・ウエルベック プラットフォーム

ミシェル・ウエルベック 『闘争領域の拡大』

Mon.22.10.2007
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h

今は午前4時だ。だが、眠れない。
初めて小説の感想でも書いてみようか。

ミシェル・ウエルベックは自分が今いちばん共感できる作家であり、『闘争領域の拡大』は彼の最初の小説だ。

この小説の語り手によれば、「闘争領域の拡大」とは経済の自由化であり、セックスの自由化であるという。経済が自由化すれば貧富の格差が際限なく広がり、セックスもまた然り。その点で主人公の同僚のティスランはセックスにおいて完全に敗者だ。一方主人公の立場はどうも微妙だ。

しかし二人とも悲しい存在であるのは間違いない。愛されたいという欲望のせいで彼らはひどく苦しみ、その先には転落が待っている。
いったい彼らは誰の、何の為に生きてるんだろうか。
という問いが頭に浮かんだが、それはそのまま自分に当てはまるような気がした。僕には主人公やティスランが他人とは思えないのだった。


タグ : ミシェル・ウエルベック 闘争領域の拡大 フランス文学

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