DISKAHOLICS ANONYMOUS DAYS

プロフィール

uich

Author:uich
シネフィルに憧れます。
一人称が安定しません。

最近の記事
カテゴリー
最近のコメント
月別アーカイブ
リンク
最近のトラックバック

芸術に触れたときの感動を忘れないためのブログ

スポンサーサイト

--.--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ミシェル・ウエルベック 『プラットフォーム』

Thu.01.11.2007
0 comments
plateform

授業をサボって、この小説を読み終えた。外では雨が降り続いている。こういう日は読書にぴったりだ。

父親が殺されたが悲しみの湧かないミシェル(男、41歳)が、タイでのヴァカンスで旅行会社のエリート社員のヴァレリー(女、28歳)と出会う。2人は付き合うようになり、ヴァレリーの上司のジャン=イヴと共に売春ツアーを企画する。企画は何もかも順調に進んでいるかのように見えたが、…物語の最後には悲惨な出来事が待ち構えている。

この小説は『闘争領域の拡大』や『素粒子』に比べれば語り手の視点がはっきりしない部分があって、完成度は劣ると思う。だがそれでも十分に心に響く作品だった。ウエルベックの小説の主人公は自分(と、自分に深く関わる人)以外のもの全てに汚い言葉で悪態をつきまくる。それが痛快に思えるときもあれば嫌な気分になるときもあるのだが、こういう語り口で主人公の立場をはっきりさせることこそが作家の狙いだろう。事実、彼の小説は誰もが考えたくないような現代社会のうんざりさせられる真実を浮き彫りにしているように思うのだ。
だからこそウエルベックは世界中で読まれているのだろう。彼の作品は、社会のシステムの中で「生きて在り続ける」ことについて我々に考えさせる力を持っている。できればそんなことを考えずにいたいのだが…。でも、読まずにはいられないのだ。
そういえば、同じように世界中で読まれている村上春樹も、高度資本主義社会における個人を沢山描いている。彼の小説の主人公たちはだいたいが孤独で、社会に適応していない。『ダンス・ダンス・ダンス』の主人公なんかは資本主義が生み出したあらゆるものに対して悪態をつきまくっている。この2人の作家の描く主人公には共通点があると思う(もちろん作家が追い求める主題は異なるが)。

『プラットフォーム』の3、4割は過激なセックス描写で占められている。エロスを求める人は是非読んでみてください…というのは悪い冗談です。


これでやっと最新作『ある島の可能性』を読み始められる。楽しみだ。



スポンサーサイト

テーマ : 文学・小説 - ジャンル : 小説・文学

タグ : ミシェル・ウエルベック プラットフォーム

« MAKE BELIEVE 『OF COURSE』 | home | 日記 »

comment
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。